低圧FITに降りかかる、恐ろしいお話し
今回の投稿は、遅々として進まないFIP移行を進めるために国が行う強力な鞭(ムチ)政策で、このまま、FITに止まり続ければ大きな試練が待ち受けているのに、それに気づいていない同業者があまりにも多い(弊社も、当初、危機感は薄かったです。)と思うことから、緊急報告の形でお知らせするものです。
九州の低圧FIT同業者にとって、怪談話よりも遥かに恐ろしいお話しです。
1 やがて、低圧FITだけが出力制御を受け持つ!?

電気はいろいろな方法で作られていますが、発電する電気が多すぎるときは出力制御(発電する量を減らしたり、不要な電気を貯めたり等すること。)を行い需給バランスを取っています。
この出力制御は、発電する電気の特性等を考慮し、最初は火力発電所の制御と揚水・蓄電池の活用で行い、それでまだ制御が足りなければ、次の段階として、九州外への送電 を行います。このように、出力制御は必要な制御量に達するまで次の5つの段階(優先給電ルール)で実施されることになっています。
このうち、太陽光等の制御 は、4段階目となっています。
- 火力発電所の制御/揚水・蓄電池の活用
- 九州外への送電
- バイオマス発電の制御
- 太陽光・風力(自然変動電源)の制御
- 水力・原子力・地熱の制御
このような中、'27年度からは、4.太陽光等の制御 が次のように細分化されることになりました。
4.太陽光・風力(自然変動電源)の制御
4-1. 最初は、FITだけで制御 を実施
4-2. それでも制御が足りないときは、FIP(移行)と非FIT/FIPにも制御を実施
※ 当面、FIP比率が25パーセントになるまでの措置
この措置は、前述したとおりFIP移行促進策のひとつですが、「FITよりも、FIPと非FIT/FIPの方が電気の需給バランスへの貢献度が高い。出力制御が年々増加する中では、これまでのようにそれぞれが同じタイミングでの制御を行うことの方が、逆に不公平であるから。」と、制御の公平性の観点から説明しています。
確かにそのとおりと理解はします。しかし、この細分化は、低圧FIT事業者にとっては真綿どころではなく麻ロープで首を締め上げられるほどの事態でであると認識しています。
なぜかと言えば、
現在、4.太陽光等の制御グループ は、それぞれの制御ルールと機会の公平性を保ちつつ、一斉に出力制御が行われています。

しかし、’27年度からは、次のような形になっていきます。

① FIPと非FIT/FIPは、制御がほとんどない4-2に自動で移動
② FIT高圧・超高圧は、FIP移行が比較的容易なので、早い時期に4-2へ移動
③ 低圧FITは、FIP移行のハードルが高く、4-2への移動が困難
この結果、出力制御のほぼ全てを低圧FITが受け持つようになる?
(※ FIP移行の難易度等の詳細説明はここでは割愛します。)
これだけではありません。
低圧FITの無制限ルールには、さらなる恐ろしいことが待ち受けています。
2 低圧FIT無制限(無補償)ルールは制御の泥沼へ!?

国が主宰する次世代電力ワーキンググループで示された資料、「優先給電ルール見直し後(=太陽光等の制御順番の細分化)の算定結果(FIP移行ケース)」によると、無制限ルールは'34年度時点で34パーセントもの制御が行われると予想しています。文字通り、低圧FIT無制限(無補償)ルールの泥沼と言える状態です。
※ 旧ルールは、出力制御が30日が上限とされているところであり、'27年度以降もこれが有効です(思われます)。一方、無制限(無補償)ルールは、この上限がないことを承諾してFIT契約が行われています。
※ 設定条件等については、こちらを参照してください。

【出展】第3回 ('25年6月27日)系統ワーキンググループ 再生可能エネルギー出力制御の長期見通し等について(18頁)
対策は、ある。一発逆転も、ある。 大丈夫、大丈夫
何としても、低圧FIT事業者(弊社)の生き残る道を見つけ出し、FIT期間が残る今のうちに適切な行動がとれるよう、引き続き、どうする『低圧FIT』で整理していきます。
低圧FIT事業者の生き残り対策は、ある。一発逆転も、ある。を信じて。

