低圧FITに降りかかる、恐ろしいお話し

九州低圧FIT事業者の皆さまとともに『RE・ミライインフラセイビ』 

この投稿は、低圧FIT発電事業者である自社の事業継続の道を捜していくため、そして、同じ立場にいる九州の同業者の皆さまのお悩み解決の一助になることを願い、広く、ウェブ上に公開しながらこれを行おうというものです。

内容は九州の低圧FIT発電所に特化させ、自社として知りたいこと(すなわち、同業者の皆さまも知りたいであろう)ことを最優先にしていきます。

いずれにしても、分かりやすい説明を心がけ、一緒に前にズッて(進む)いくことをモットーに発信していきます。

低圧FITの『RE・ミライインフラセイビ』に繋げていきましょう。

 今回の投稿は、遅々として進まないFIP移行を進めるために国が行う強力なアメと鞭(ムチ)政策で、FITに止まり続ければ、当然のように試練が待ち受け、それならばと国の意向どおりにFIP移行を選択したとしても、低圧FITが走れるレールはまだ出来上がってはおらず、立ち往生することが必至、と思うようになったことから、皆様に一早くこのことをお伝えしなければと思い、緊急報告の形でお知らせするものです。

[FIP移行促進のための政策]

  • 出力制御は、最初はFITだけで行い、それでも足りなければFIPと非FIT/FIPにも行う --- 鞭部分
  • 低圧FIP(移行)には、収益増が期待できる蓄電池(AC側)設置等が認められる --- アメ部分

まずは、鞭の部分から。

出力制御は、最初はFITだけで行い、それでも足りなければFIPと非FIT/FIPにも行う

電気はいろいろな方法で作られていますが、発電する電気が多すぎるときは出力制御(発電する量を減らしたり、不要な電気を貯めたり等すること。)を行い需給バランスを取っています。

この出力制御は、発電する電気の特性等を考慮し、最初は火力発電所の制御と揚水・蓄電池の活用で行い、それでまだ制御が足りなければ、次の段階として、九州外への送電 を行います。このように、出力制御は必要な制御量に達するまで次の5つの段階(優先給電ルール)で実施されることになっています。

このうち、太陽光等の制御 は、4段階目となっています。

  1. 火力発電所の制御/揚水・蓄電池の活用
  2. 九州外への送電
  3. バイオマス発電の制御
  4. 太陽光・風力(自然変動電源)の制御 
  5. 水力・原子力・地熱の制御

このような中、'27年度からは、4.太陽光等の制御 が次のように細分化されることになりました。

4.太陽光・風力(自然変動電源)の制御 

 4-1. 最初は、FITだけで制御 を実施

 4-2. それでも制御が足りないときは、FIP(移行)と非FIT/FIPにも制御を実施

              ※ 当面、FIP比率が25パーセントになるまでの措置

この措置は、前述したとおりFIP移行促進策のひとつですが、「FITよりも、FIPと非FIT/FIPの方が電気の需給バランスへの貢献度が高い。出力制御が年々増加する中では、これまでのようにそれぞれが同じタイミングでの制御を行うことの方が、逆に不公平であるから。」と、制御の公平性の観点から説明しています

確かにそのとおりと理解はします。しかし、この細分化は、低圧FIT事業者にとっては真綿どころではなく麻ロープで首を締め上げられるほどの事態でであると認識しています。

なぜかと言えば、

現在、4.太陽光等の制御グループ は、それぞれの制御ルールと機会の公平性を保ちつつ、一斉に出力制御が行われています。

「利用する制度」と「接続電圧」とで12に分類

しかし、’27年度からは、次のような形になっていきます。

FIPと非FIT/FIPは、制御がほとんどない4-2に自動で移動

FIT高圧・超高圧は、FIP移行が比較的容易なので、早い時期に4-2へ移動

低圧FITは、FIP移行のハードルが高く、4-2への移動が困難

この結果、出力制御のほぼ全てを低圧FITが受け持つようになる?

(※ FIP移行の難易度等の詳細説明はここでは割愛します。)

これだけではありません。

低圧FITの無制限ルールには、さらなる恐ろしいことが待ち受けています。

 

 

国が主宰する次世代電力ワーキンググループで示された資料、「優先給電ルール見直し後(=太陽光等の制御順番の細分化)の算定結果(FIP移行ケース)」によると、無制限ルールは'34年度時点で34パーセントもの制御が行われると予想しています。文字通り、低圧FIT無制限(無補償)ルールの泥沼と言える状態です。

旧ルールは、出力制御が30日が上限とされているところであり、'27年度以降もこれが有効です(思われます)。一方、無制限(無補償)ルールは、この上限がないことを承諾してFIT契約が行われています

※ 設定条件等については、こちらを参照してください。

【出展】第3回 ('25年6月27日)系統ワーキンググループ 再生可能エネルギー出力制御の長期見通し等について(18頁)


次は、アメの部分。 しかし、そのレールは敷設されているか。

低圧FIP(移行)には、収益増が期待できる蓄電池(AC側)設置等が認められる

  • ’24年度から、発電所への蓄電池併設(AC側)が認められる。
  • ’26年度から、低圧にも「需給調整市場」への参入が認められる。

(※内容の詳細はここでは割愛します。他の投稿「どうする低圧FIT」で順次、説明していきます。) 

ならば、FIP移行へ一直線 なのでしょうか。

当初、自社も、低圧FIT事業者として先行きに不安を感じていた中に、このアメ政策が行われることを知ったときは、『一日でも早く移行すべき。』と、半ば興奮状態でその準備を進めていました。

しかし、次第に興奮状態が収まり冷静に判断できるようになってくると、現段階において低圧のFIP移行は、核心的かつ自助努力ではどうしようも出来ない部分が?マークばかりではないか、と感じるようになりました。

  FIP移行のハテナ (’26.7現在)

  1. 低圧発電所の集約化は可能か?(FIP移行よりも、まずは集約化が先でないか?
  2. 低圧で収益を最大限に高めることができるアグリゲーターは、(本当に)現れる?
  3. アグリゲーション機能を持った低圧用蓄電池システムは完成している?
  4. 需給調整市場で、継続的な収益化は可能?

(内容の詳細はここでは割愛します。他の投稿『「どうする低圧FIT」で順次、説明します。)  

 

   FIP移行は片道切符、選択は慎重に!

鞭の恐ろしさに慌ててFIP移行を選択しても、その先にレールが敷かれていなければ路頭に迷うことになってしまいます。それに、

FIP移行は、FITへ戻ることができない、片道切符です。

  

FIP移行については、今回露わになった課題等の詳細も含め、引き続き『どうする低圧FIT』で報告していきます。