低圧FIT発電事業『どうする』の気持ちが、日々、増しています

低圧FIT発電事業、『どうする』の気持ちが、日々、増しています。
それは、

  • FIT残期間が、減少し続けている
  • 出力制御の量がものすごい(と思う)
  • 『これからは、FIP転(移行)だ。』とネットでは出てくるが、FIPの仕組みが良く分からない
  • 分からないから、FITを捨ててでもFIPに移行することが本当に良いのか判断できない
  • 発電所の劣化が予想以上に進んでいる
  • しかし、そのままやり過ごしてしまったら、20年後の卒FIT時点で、『ハイ、それまでよ。』と、廃業の道を選ぶしか残っていないのではないか

こんな言葉が頭の中で毎日、堂々巡り。

なので、まずは、次の2つのことについて整理を行った。

  • 九州の低圧FIT発電所のFIT残期間はどのような状況であるか
  • 実際の出力制御の量はどれくらいか

1-1 九州低圧FIT FIT残期間 

1)FIT残期間が10年未満の割合は、5割以上だった

 調達期間終了年月が '36.3 までの割合

 '26.3時点 / 20kw未満除く

低圧FIT残期間が10年未満の発電所が、予想より、遥かに多いことが分かった。

(低圧FIT発電所の多さにも驚く。)

2)旧ルール発電所の割合は、福岡が約5割で遠方に行くほど低くなる

運転開始報告年月が '15.1 までの割合

'26.3時点 / 20kw 未満除く

こちらも、予想を遥かに超える割合であった。

北部の県が比較的早くから低圧FITに取り組んでいることが分かった。

1-2 九州低圧FIT 出力制御

まずは、九州低圧FITの出力制御が開始された時期等を整理した。

※ 九州低圧FITの出力制御は、大きく2つの分類ルールにより行われる。

'15.1.25 までに九州電力(送配電)との接続契約した発電所は[旧ルール]、それ以降は[無制限ルール]。

さらに、旧ルールのうち遠隔操作で制御が可能な発電所を[オンライン]、そうでないものを[オフライン]に分ける。

(出力制御開始時期)

・'18.10 から無制限無補償ルール(以下、無制限ルール)発電所に制御が始まる。

・'22.12 から旧ルール(30日無補償)(以下、旧ルール)にも制御が始まる。

(一日の出力制御時間)※原則

・'18年の当初、午前8時開始午後4時終了

'23.4 から、春(4~6月)は午後5時まで延長

・'26.4 から、春(〃)は午前7時から開始

※ 旧ルール[オンライン]と無制限ルールは、必要な時間帯のみ、旧ルール[オフライン]は、一日の制御時間の全てを「0」とする。

※ 実際には、オフラインは制御を行う機能がないので、他のルールの発電所に代理で制御をしてもらい、2カ月後にその分を清算する

1)年間では、春・秋、休日に多い

’25年の九州低圧FIT、無制限ルールでの出力制御の実績は次のとおりであった。

’25年は、およそ3日に1回程度の頻度で制御が行われた。

2) ’26年は、前年よりも多い傾向か

続いて、’26年は前年に比べて出力制御が増えているのかを見てみた。

緑丸(制御が終日なし=天気悪)、オレンジ丸(制御が行われた=天気良)の多少を比較しても、日々の天気次第でこれは変わってしまうので、これだけをもって制御の状況を判断することはできない。

しかし、赤丸(制御あり、かつ、売電が0の時間帯があり=天気良、かつ過ごしやすかったか休日。)の日が'26年になって増えているのは、今年は去年よりも太陽光発電由来の電気の余剰感が、より高まっていると推測できる。

旧ルールでは、詳細な整理は行っていないが、およそ、’24年は12日に1回、’25年は10日に1回の割合で出制御が実施されていた。('24から、すでに30日をオーバーし続けている。)

(ぎもん)旧ルール(30日無補償)のルールはどこに?

3)一日を見ると、日中、特に正午過ぎが多い

自社のほぼ同規模(パネル量)の旧ルール(緑線)と無制限ルール(オレンジ)発電所の発電量、及び出力制御量とを四季毎の天気の良かった日に焦点を当てて見てみた。

 

30分毎の計測値なので、左目盛りの最大値は25kwhとなる

同規模の発電所なので、制御によってどれくらい収益に影響を及ぼしたのかが視覚的に分かるようになった。

4)旧・無制限ルールの年間比較では、やはり、無制限ルールの方が多い

(出力制御の量を売電量の推移で推測)

'20年の売電量(金額)を100として、売電量がどのように推移しているかを見た。

当然、天気によって年毎の売電量は変わってくるが、旧ルール、無制限ルール共に制御が始まった'23年からの値を見てみると、国が示した九州での変動再生エネ(太陽光、風力)の制御実績の多くを無制限ルールの方がより多く担ったことが分かる。

5)一方、一日で比較すると、旧ルールの方が多かった

 旧ルールと無制限ルールの両方に制御が行われた日の制御量を比較した。

 旧ルールは制御回数は少ないものの、一日の制御量は無制限ルールよりも多いことが分かった。

(はてな)オンラインとオフラインとで、売電量にどれぐらい差が出ているのであろうか? オンライン化の投資は回収される?

6)旧ルールのオンライン化投資は回収される?

 こんなグラフを作ってみた。

緑の実線がオンラインの制御の実績値。黒点線がオフライン(3月:午前8時から午後4時まで「0」)の予想値。

一日で制御が行われなかった(少なかった)時間が多いのは確かにオンラインの方だが、その時間帯はそもそも発電量も少ないので収益の差としてはわずかである。(ただし、オフラインの代理制御は考慮せず。)

7)出力制御については、まだ、検証が必要

 出力制御のルールは、FIP制度の開始や非FIT/非FIPで事業を行う発電所の増加などの下記の理由により、制御のルールの再定義が行われているようなので、引き続き、整理していくことにします。

  • FIP(非FIT/非FIP)ルールの追加
  • 旧ルールの30日以上の制御の常態化
  • FIP移行の促進 

    

    次回は、FIP移行について整理します